ついにFEに実装された対戦について考察します!
まさか、FEに対戦が実装される時代とはね。
と、いうことで
新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎の対戦について考察します。
ファイアーエムブレム…ヒーローズ……英雄決闘……?
たぶんFEHの対戦については僕より詳しい人がやるだろうしそっちに任せます。
それより、どこかで語りたいと思っていたけど機会がなかった、
新暗黒/新紋章の対戦について語るとしたら、FE界で「対戦」が話題になっている今しかないのだ。
2008年にDSで発売された「新・暗黒竜と光の剣」は、初代FE「暗黒竜と光の剣」のリメイク作品。
FEシリーズで初めて、Wi-Fiコネクションを利用した対戦モードを実装している。
GBA3作にも、対戦要素である「通信闘技場」はあったが、
ローカル通信のみのうえ、ユニット同士をぶつけ合う単純なモードだったので、
マップ上の移動まで含めた対人戦も初となる。
同モードは、続いて発売した2010年の「新・紋章の謎」でも引き続き実装された。
自分も当時、新暗黒の1周目をクリアしてウキウキでWi-Fiの海に漕ぎ出していったものです。
その先に待つ地獄も知らずにな……。
当然、熟練のエムブレマーはフルカンストのユニットに、
数時間闘技場で時間を溶かして手に入れたゴールドを投入して作ったフル錬成武器を装備しているので、
クリア程度では到底歯が立たない。
その後、頑張って厳選して対戦用のユニットを用意するも、
魔力魔防を妥協したことで苦労することになるのであった。
<ルール>
上の画像が「新暗黒竜」での対戦マップ。
「新紋章」ではマップが増えたが、「新暗黒」ではこのマップしかなかった。
チームに編成できるのは5人まで。
新暗黒/新紋章の対戦の重要なポイントは索敵マップであること。
ユニットの視界は2マス分しかない(他作品と違い、盗賊の視界も同じ)。
そして、他作品の索敵マップと違うのは、
「ユニットが移動したとき、移動した経路とその周囲2マスも見えるようになる」こと。
見える範囲を広げるためにも、移動力の高い飛行や騎馬ユニットを先行させるのが基本戦法になっていた。
敵のユニットを全滅させれば勝利だが、
規定ターン終了までに決着がつかなかった場合、真ん中にある城を制圧していた方が勝利となる。
誰でもいいので、城門にユニットを待機させれば制圧して自分の城にできる。
チームには1つだけ「護符」を持たせることができる。
英雄決闘の「隊長スキル」と似たようなものだが、性能はピンキリ。
対戦に勝つことでランダムで入手できる。
<考察>
前述のとおり、飛行などを先行させて索敵→見つけた相手を叩いて殺すのが基本。
プレイヤーからは明らかに位置が分かっていても、ユニットの視界に入っていなければ攻撃できない。
倒した相手の視界はなくなる。「倒せば相手プレイヤーの視界外になる」位置から敵を倒すことが重要だ。
そうなると、相手は敵1体と戦うために「ユニットを視界内に入れるため索敵する」「戦う」の2手が必要になる。
また、このゲームの基本攻撃となる勇者武器での攻撃後は、他のユニットでアイテムを交換し、
手槍、手斧、サンダーソードなどに持ち替え、反撃不能な距離がある状態を作らないことも重要だ。
最近のゲームのように追撃を防ぐスキルなんていうものはないので、このゲームで重要なのは速さである。
速さにハンデのあるユニットは採用に理由が必要。
新暗黒/新紋章のユニットの速さ上限は、
30 ソードマスター、ホースメン
29 スナイパー
28 バーサーカー
26 紋章ファルコンナイト、勇者
25 暗黒ファルコンナイト、パラディン、魔法系、踊り子
24 ウォーリアー
23 ドラゴンナイト
21 ジェネラル
20 シューター、マムクート
こんな感じで、基本的には速さが高いユニットが環境上位。
速さが高いユニットは基本的に力が低いが、
このゲームはフル錬成した勇者武器の火力がおかしいので多少の低さは補える。
速さ30に追撃を食らう速さ26辺りから戦力として怪しくなってくるが、
飛行、杖、シューターなどの一芸があればそれでも使われる。
盗賊やロードなどもいるが、まず使われないので割愛。
通常ユニットのトップメタは恐らく「ホースメン」。
速さ30からの錬成勇者の弓は凶悪なうえ、魔力20からの錬成サンダーソードも強力である。
賢者の魔力30より10低いが、速さが25しかなくジェネラルやシューターにしか追撃チャンスがない賢者と違い、
ちゃんと2回攻撃できる速さがあるのでこちらはこちらで強い。
騎馬系特効を恐れる場合や、ホースメンになれないユニットの最速選択肢になるのが「ソードマスター」。
しかし、このゲームではソドマスに必殺補正がなく、新暗黒では命中、紋章では回避補正となっているため、
必殺で大暴れするというタイプのユニットではなくなっている。
とはいえ、高速錬成魔法剣or錬成勇者の剣の二択のどちらも刺さらないというユニットはいないだろう。
速さ次点の「スナイパー」は近接攻撃ができないという弱点こそあるが、最大の強みはスナイパー専用の「錬成ロングボウ」。
視界が2マスのゲームで3マス先の敵に攻撃できるという時点で何かがおかしい。
索敵範囲外から攻撃して位置を悟らせないように動こう。地味ながら必殺補正+5もある。
「バーサーカー」も人気のあった兵種。
こちらは必殺補正が+10あり、錬成勇者の斧による運ゲーは恐怖。
ホースメンやソドマスと違い、力が高く斧装備なので、
索敵で先行してきた槍ドラゴンナイトを処理するにはこちらの方が向いているかもしれない。
これらの兵種はいずれも次作「覚醒」で上限が厳しめに設定されたり、補正を消されたりしているので、
新暗黒/紋章の対戦環境はユニット上限調整の参考に使われていたのかもしれない。
ボウナイトとかスナイパーが露骨に低速になったからね……。
先行して視界を確保するユニットはアイオテ持ちのドラゴンナイトが採用されていることが多かった。
この作品のドラゴンナイトは守備がジェネラルと並ぶ30もある。
Wi-Fi通信で使える「オンラインショップ」を利用すれば、
ファルコンナイトにCCできる「天空のムチ」も購入できた(新紋章ではストーリーでも手に入る)が、こちらの採用は少なかった。
ドラゴンナイトと比べると、ファルコンナイトは速さ、魔防に優れるが、力、守備が弱いという調整だったが、
ファルコンの速さ上限は25(新紋章で26に上方修正)で、追撃できる相手は速さ21のジェネラルや20のシューターくらい、
速さ30組にはどちらにしろ追撃されるので、速さにステが割かれている点にあまり魅力がなかったのかもしれない。
そして、新暗黒時代の環境を象徴するのが「シューター」。これ抜きでは新暗黒時代の対戦は語れない。
何かの間違いで登場してしまったとしか思えない、狭いマップで射程3~10をぶっ放す戦車である。
ストーリーでもメディウスを一方的に撃ち殺せたり、グルニアの木馬隊がクソマップ化したことで話題となった。
その最強武器「エレファント」は神器並みの威力18を誇るくせに錬成可能であり、威力28必殺30まで強化できるアホ武器。
ゲーム中1つしか入手できないが、このゲームは交換後即攻撃が可能なので、
索敵してきたドラゴンナイトに見つかってしまうと、
ジェイクとベックでエレファントを使いまわしながら遠距離攻撃が2回飛んでくる。
新暗黒には射程3~10の魔法ウォームもあるため、
場合によっては賢者から3回目の遠隔攻撃まで飛んできて何もできずにお陀仏という姿がよく見られた。
そして、新暗黒のシューターは暴れすぎた結果、新紋章ではシューターが仲間にならず、
環境に平和が訪れた……。
と、思ったか?
代わりに台頭したのが魔法系(賢者、司祭、ソーサラー)である。
新紋章になって登場した杖が強く、アゲイン、レスキューといった杖が暴れ始めた。
索敵マップで向こうから当たり屋のようにぶつかってきた敵が突然再行動してこちらを一方的に殴り、
レスキューやアゲイン再行動で消えていくのが新紋章の対戦であり、こちらもこちらでクソ環境なのであった……。
アゲインはSFC時代の全体再行動からは弱体化されているが、距離無限の再行動は相変わらず強く、
しかもオンラインショップで複数買うことができるため、これはこれで厄介だった。
この時代は先攻がとりあえずサイレスするのをよく見た気がする。
ただ、魔法なしの物理5人とかも普通にいたので絶対的な強さというわけでもなかったのかもしれない。
<その他戦法など>
・回数1ナイトキラー
その名の通り、回数1の錬成ナイトキラーである。ホースメンなどの対策で使われた。
回数が1なので、相手に大ダメージを与えた後壊れて消滅し、
すぐにグラディウスや錬成手槍などの直間両用武器に持ち替えることができる。
回数1ウイングスピア、回数1ポールアクスなどのパターンもある。
・星のかけら
SFC時代と違い、新紋章では星のオーブ、星のかけらには成長補正効果ではなくステ補正がつく。
星のオーブは全能力+2、かけらは対応するステータスがそれぞれ違う。
特に速さ補正があるのが強力で、追撃できるラインを押し上げたり、逆に追撃できる相手から追撃されなくなったりする。
ただしシナリオをハーディン撃破まで進めると封印の盾になってオーブは消滅してしまう。
オーブやかけらを対戦で使う場合は、そこまでに育成を完全に済ませなければならない。
・ジェネラル
対戦ではぶっちぎりの不遇兵種。速さ上限21が全ての元凶。
でも守備は高いでしょ? と思いきや、このゲームはドラゴンナイトやパラディンも守備上限が同値の30。
なぜ移動12や10のユニットと6のユニットの守備が同じで、速さまで負けなければならないのだろうか……。
厳選前提なので、ストーリーを普通に進める場合にはドラゴンナイトやパラディンの守備がカンストすることは滅多にないのだが。
アーマー系の移動を上げる「俊足の護符」というものはあるが、気休めにもならない。
新暗黒/新紋章のジェネラルは弓が使えるので、希望を見出すならそこだろうか……。
しかしそこでも、力30で守備が28あるウォーリアーという存在が邪魔をする。
・トライアングルアタック
トライアングルアタックは対戦でも有効。
必ず必殺が出るというのはあまりにも強力なため、
女性が3枠入るなら、こだわりがなければパオラ、カチュア、エストにするのがよさそう。
新・紋章の謎ならサジ、マジ、バーツの組み合わせも使用可能。
・護符
チームに設定できる護符の効果は次の通り。
力の護符、技の護符、疾風の護符、堅守の護符、守護の護符
対応する能力(それぞれ力、技、速さ、守備、魔防)+1。
氷刃の護符、鋭鋒の護符、戦斧の護符、弓手の護符、魔道の護符
対応する武器(それぞれ剣、槍、斧、弓、魔法)の命中∔10。
俊足の護符
アーマー系の移動+1。
嵐の護符
敵飛行ユニットの移動-1。
重力の護符
地形の移動コストが全て1上昇。
破邪の護符
お互いの特攻を無効。
闇夜の護符
お互いの視界が1になる。
裁きの護符
1ターン目に相手全員のHPを20%減らす。
回復の護符
毎ターン2回復。
恵贈の護符
対戦に勝った時に貰える護符が2つになる。
速さが重要なゲームのため、一見速さ+1の疾風が強そうなのだが、
どうやら上限値以上には上昇しない仕様らしいため、
能力アップ系はフルカン前提の対戦では全て産廃である。
回復の護符もなあ……2回復して何するんだって話だよなあ……。
・チート
最強戦法。
残念なことにこのゲームの対戦は人が少なかった割にチートが横行していた。
マフーを持った相手に何もできずに蹂躙されたり、
攻撃できないと思ったら闇のオーブ持ちだったということはザラである。
これでは対戦に人が寄り付かなくなるのも当然だが、
チートがいなくても初心者に錬成ゾウさんが急に飛んできて心を折ってくるゲームなのでどちらにしろ流行らなかったと思う。
対戦について語れるのはこのくらいですかね!
ガチでやり込んでいたかというと自信はないが、英雄決闘よりは回数をこなしていると思う。
当時の対戦ガチ勢でここはおかしいとか、こういうのもあったという人は指摘してください。
なお、ニンテンドーDSのWi-Fi通信は既にサービスを終了しているので、
残念ながら、もうこの知見が活かされる場はありません。
直接会ってのローカル通信なら今でも可能だが、
新・暗黒竜と光の剣の対戦しようぜと持ち掛けてくる友人がいたら、その友人はどうかしていると思います。
考察と言ったが考察と言うほどの考察したか? してないな!